2016年10月7日(金)

第6回 フォトニクス・イノベーションセミナー革新的光電子集積技術

開催日 2016年10月7日(金)
開催場所 東京大学・駒場リサーチキャンパス 生産技術研究所An棟3F大会議室
アクセス https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/access/access.html
キャンパスマップ https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/access/campusmap.html
主催 東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
共催 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
技術研究組合 光電子融合基盤技術研究所(PETRA)
協賛 一般財団法人 光産業技術振興協会 (OITDA)
参加費 無料

対象

光技術者および関係の社会人、大学院・学部学生

参加者:65名

プログラム

15:00 開会挨拶
荒川泰彦(東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構 機構長)
代)上條 健(東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構 特任教授)

15:10 講義【光電子集積基礎:プラズモニクス】
「プラズモニクスの基礎とナノ光集積回路への展望」
高原淳一(大阪大学フォトニクス先端融合研究センター 教授)

16:10 講義【光電子集積基礎:フォトニック結晶デバイス】
「フォトニック結晶デバイスの基礎と光子操作への応用」
浅野卓(京都大学大学院工学研究科電子工学専攻 准教授)

17:10 全体討論

概要

 

10月7日(金)に第6回フォトニクス・イノベーションセミナーを開催いたしました。
『革新的光電子集積技術』をテーマとしたセミナーに、65名の参加者がありました。今回のセミナーは、ナノフォトニクスである「プラズモニクス」と「フォトニック結晶」を取り上げました。 これらの技術は、従来の光集積回路の基礎となる誘電体系導波路技術の性能限界、例えば回折限界などを克服することができることから、将来の光電子集積技術の発展に大きく寄与することが期待されています。

この分野で世界の第一線で活躍されているお二人の講師による講義が行われました。冒頭の趣旨説明に続いて、大阪大学フォトニクス先端融合研究センター教授の高原淳一先生から、「プラズモニクスの基礎とナノ光集積回路への展望」と題しての講義がありました。プラズモン物理からプラズモニクスに至る歴史から紐解き、プラズモニクスの基礎となる表面プラズモンについての分散関係に関する詳細かつわかり易い解説されました。特に、エバネッセント波が回折限界を越える性質を有することを強調され、超収束などの新たな光学的性質の発現が期待できることを紹介されました。

会場からは、プラズモニクスデバイスの設計方法などについての質問があり、将来の光電子集積技術への展開への期待感が高いことをうかがわせていました。 続いて、京都大学大学院工学研究科准教授の浅野卓先生から「フォトニック結晶デバイスの基礎と光子操作への応用」と題する講義がありました。フォトニック結晶の基本的性質であるフォトニックバンドギャップに関するわかり易い説明の後に、フォトニック結晶構造、特に2次元フォトニック結晶スラブ構造を用いた光子操作に関する紹介がありました。

例えば、欠陥導入による波長合分波デバイスについては、フォトニック結晶構造の作製方法から32チャネルの波長合分波の実験結果までを系統的に示されました。 その他、Siラマンレーザーや高Q値フォトニック結晶、電流注入による動的な位相制御など将来の光電子集積技術として魅力ある性質について紹介されました。会場からは、フォトニック結晶構造の改質に関する質問や表面処理などに関する質問があり、応用展開を考えるきかっけとなる講義となったように感じられました。

シリコンフォトニクス技術をはじめとする光電子融合科学技術の発展には、これまでの光学素子の限界を打破する物理と技術が求められます。特に、高集積密度やコンパクト化においては回折限界を越える光学的性質や相互作用長の短いデバイス構造などに期待があります。
今後とも、このように光電子融合科学技術の発展に資するテーマのセミナーを企画させていただきますので引き続きご活用ください。

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