2019年11月26日(火) 10:00-12:00

第18回 フォトニクス・イノベーションセミナーシリコンフォトニクスの最先端

開催日 2019年11月26日(火) 10:00-12:00
開催場所 東京大学・駒場リサーチキャンパス ENEOSホール
アクセス・キャンパスマップ https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/access/
主催 東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
共催 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
技術研究組合 光電子融合基盤技術研究所(PETRA)
協賛 一般財団法人 光産業技術振興協会(OITDA)
参加費 無料 ※すべて英語による講演となります。

東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構では、フォトニクス・イノベー ション共創プログラムを推進しています。本プログラムは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクト「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術」の成果普及、関連分野の人材育成および将来ビジョン形成を図っています。特に、フォトニクス・イノベーションセミナーでは、人材育成の一環として、光電子融合科学技術の基礎からシステム応用に至る技術について、気鋭の研究者によるわかり易い講義を提供しています。

この度、当該分野の国際シンポジウム The 9th International Symposium on Photonics and Electronic Convergence (ISPEC2019)の開催に合わせて、世界最先端のシリコンフォトニクスの研究開発に関する講演をセミナーとして共同開催いたします。

「シリコンフォトニクスの最先端」に関して、シリコンフォトニクスのパイオニアとして本分野の研究開発をけん引していますマサチューセッツ工科大学のL.C. Kimerling教授とインテルのH.Rong博士による講演が行われます。奮ってご参加いただきますようお願いいたします。

対象

光技術者および関係の社会人、大学院・学部学生

プログラム

10:00 開会挨拶

田原 修一(技術研究組合光電子融合基盤技術研究所))

10:10 講演1

Advances in Photonic and Electronic Convergence System Technology

荒川 泰彦(東京大学 ナノ量子情報エレクトロニクス機構 特任教授)

10:40 講演2

The 2020 Integrated Photonic Systems Roadmap – International Grand Challenges and Key Needs for Silicon Photonics

Lionel C. Kimerling(Thomas Lord Professor of Material Science andEngineering, Massachusetts Institute of Technology)

11:20 講演3

High-speed and Energy-efficient Optical Link Based on Silicon Photonics and CMOS Electronics

H. Rong(Intel Labs)

参加者数

159名

概要

2019年11月26日(火)に、シリコンフォトニクス、光電子融合技術およびナノフォトニクスに関する国際シンポジウムISPEC2019と共同開催で、第18回フォトニクス・イノベーションセミナーを開催しました。今年で9回目となる同国際シンポジウムは例年海外の著名研究者を多数招聘して開催され、シリコンフォトニクスの最新研究開発動向を俯瞰し、同分野の将来展望を議論することのできる貴重な場です。セミナー開催日である26日の参加者数は159名で、会場は熱心に聴講する受講者でほぼ満席となりました。

はじめに主催者を代表して技術研究組合光電子融合基盤技術研究所(PETRA)の田原修一専務理事から開会の挨拶があり、続いてフォトニクス・イノベーション共創プログラム主宰者でもある東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構の荒川泰彦特任教授から、経済産業省/NEDO未来開拓研究プロジェクト「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発」におけるPETRAおよび東京大学の最新成果を中心とした光電子融合技術の進展に関するKeynote講演がありました。

続いてPlenary講演として、マサチューセッツ工科大学(MIT)のL.C.Kimerling教授とインテル研究所のH. Rong博士より各1件の講演をいただきました。都合により急遽遠隔講演での登壇となったKimerling教授は、2019年のIntegrated Photonic Systems Roadmap – International (IPSR-I: 集積シリコンフォトニクス・光電子融合技術ロードマップ国際委員会 [1月東京・3月米国サニーベール・6月ベルリン・10月ボストン])での議論について報告されました。今後に向けた技術開発の動向の例として、消費電力密度の上昇が集積度向上に対する障壁であることを具体的な数字を挙げて解説され、その解決のために複数の技術開発が進んでいることを紹介されました。

次に登壇されたRong博士は、インテル社におけるシリコンフォトニクス集積プラットフォームの研究開発の現状と展望についてお話しされました。特に、高速(>100 Gb/s)・低消費電力(< 10 pJ/b)の光リンクを実現するために進められている研究の最新成果について詳しく紹介されました。シリコンフォトニクスは研究レベルから商用化レベルへと既に順調に技術移転が進んでいることを強調され、情報通信インフラを支える中核ハードウェア技術のひとつとして今後存在感を増していくであろうという展望を示されました。

Kimerling教授のご講演は遠隔講演でありながらも会場との質疑応答は活発に行われ、シリコンフォトニクス分野の今後に寄せられる関心の高さが伺えました。また、産業界におけるシリコンフォトニクスの実用化最前線について紹介されたRong博士のご講演からは、光電子融合技術の社会実装が確実に進展している様子を改めて実感することができました。このように、今回のセミナーはフォトニクス分野のイノベーションを担う人材育成にふさわしい機会となりました。

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