2019年10月23日(水) 13:00-15:30

第17回 フォトニクス・イノベーションセミナー

開催日 2019年10月23日(水) 13:00-15:30
開催場所 京都大学・桂キャンパスBクラスター 事務管理棟3F 桂ラウンジ
アクセス http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_k.html
主催 東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
京都大学卓越大学院プログラム「先端光・電子デバイス創成学」
共催 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
技術研究組合 光電子融合基盤技術研究所(PETRA)
京都大学光・電子理工学教育研究センター
協賛 一般財団法人 光産業技術振興協会(OITDA)
参加費 無料

東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構では、フォトニクス・イノベーション共創プログラムを推進しています。
本プログラムは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)プロジェクト「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術」に関わる成果普及と人材育成を目的としています。
フォトニクス・イノベーションセミナーでは、人材育成の一環として光電子融合科学技術の基礎からシステム応用に至る技術について、気鋭の研究者による講義形式でわかり易い解説を提供しています。
今回は、京都大学卓越大学院プログラム「先端光・電子デバイス創成学」プログラムとの共同主催で、量子ドットフォトニクス、フォトニック結晶レーザー、光量子計測について取り上げます。

対象

光技術者および関係の社会人、大学院・学部学生

プログラム

司会 竹中充(東京大学工学系研究科電気系専攻 准教授)

13:00 開会挨拶

竹内 繁樹(京都大学工学研究科電子工学専攻 教授)

13:05 講義

量子ドットフォトニクスの進展~黎明期から実用化まで~

荒川 泰彦(東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構 特任教授)

13:50 講義

フォトニック結晶の進展と将来展望

野田 進(京都大学工学研究科電子工学専攻 教授)

14:35 講義

光子を操るー光量子計測とその展望

竹内 繁樹(京都大学工学研究科電子工学専攻 教授)

15:20 全体討論

閉会挨拶

野田 進(京都大学工学研究科電子工学専攻 教授)

概要

2019年10月23日(水)に、第17回フォトニクス・イノベーションセミナーを開催いたしました。今回は、京都大学卓越大学院プログラム「先端光・電子デバイス創成学」プログラムとの共同主催で同教育プログラムの一環としても行われました。また、昨年に続き京都大学工学研究科附属光・電子理工学教育研究センターとの共催で、関西地区では2回目となるセミナーでしたが、77名とたいへん多くの方々に参加いただき、盛況となりました。

はじめに、主催者を代表して京都大学卓越大学院プログラム「先端光・電子デバイス創成学」プログラム副プログラムコーディネータの竹内繁樹京都大学教授から趣旨説明を含む開会の挨拶がありました。引き続き、京都大学特任教授でもある荒川泰彦東京大学特任教授より「量子ドットフォトニクスの進展~黎明期から実用化まで~」と題して、量子ドットフォトニクスの研究の歴史、実用化の進展についての講義が行われました。特に、量子ドットの状態密度を反映した量子ドットレーザの唯一無二性:閾値電流の温度無依存性がもたらしたフォトニクスへのインパクトについて詳細な説明がありました。また、近年進展しつつあるシリコンフォトニクス光源や量子情報用単一光子源などへの新たな展開も紹介されました。

続いて、野田進京都大学教授より「フォトニック結晶の進展と将来展望」と題する講義が行われました。これまでの三次元・二次元フォトニック結晶の研究についてのレビューに続き、Society5.0における現状の半導体レーザの課題が提示され、それに対する解決策のひとつとしてのフォトニック結晶レーザの研究開発動向について詳細な講義が行われました。同レーザはブロードエリアでシングルモード、高出力が期待されるなどのメリットがあり、ビーム広がりが極めて狭いことからLiDAR応用にも特に有望であることが紹介され、さらに熱輻射制御素子などへの新展開を含むフォトニック結晶技術の今後の展望についても言及されました。

その後、竹内繁樹京都大学教授より、「光子を操る-光量子計測とその展望」と題して光子を用いた量子計測の最近の研究成果とその展望に関する講義が行われました。量子もつれ光子を用いた、従来の光の限界を超えた感度を有する微分干渉顕微鏡、周波数もつれ光子対を用いた、優れた群速度分散耐性を示す高分解能光量子トモグラフィなどの実例の紹介があり、これらの量子光源の集積化・光量子回路の実現への将来展望についてもお話がありました。最後に、京都大学工学研究科附属光・電子理工学教育研究センターのセンター長でもある野田進京大教授から、今後の大学間連携に対する期待を込めた閉会の挨拶がありました。

いずれの講義でもたいへん活発な質疑応答や議論が行われ、閉会後も白熱した議論が続く光景が見られました。今後とも、光電子融合科学技術の発展に資する基礎的な解説から革新的・実践的応用展開の紹介まで幅広い分野のセミナーを企画・実施いたしますので、奮ってご参加ください。

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