2017年5月22日(月)13:30-17:30

第3回フォトニクスイノベーション・ビジョンワークショップ

あらゆるデバイスや人などがネットワークでつながり、サイバースペースと融合したAI-IoTの浸透が進み、ビッグデータとクラウドコンピューティングが新たな社会的価値を創造しはじめました。このトレンドを支えるのは深層学習や強化学習などの人工知能コンピューティングや光インターコネクションなどの革新的技術から成る新たなコンピュータアーキテクチャーの融合されたプラットフォームです。 本ワークショップでは、このような新たな社会的創造を俯瞰的にみながら、それを実現するコンピューティング技術とフォトニクスの目指すべき姿を議論します。

開催日 2017年5月22日(月)13:30-17:30
開催場所 東京大学 駒場リサーチキャンパス ENEOSホール
(先端科学技術研究センター3号館南棟1階)
https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/access/access.html
主催 東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
共催 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
技術研究組合 光電子融合基盤技術研究所(PETRA)
東京大学生産技術研究所光電子融合研究センター
協賛 一般財団法人 光産業技術振興協会
参加費 無料

テーマ:AI-IoT時代に向けたコンピューティング技術とフォトニクス

プログラム

13:30 開会挨拶 荒川泰彦 (東京大学 ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構)
13:40-14:10 ビッグデータが拓く新たな社会価値創造
喜連川 優(東京大学 生産技術研究所)
14:10-14:40 コンピューティング技術の進化とAI
松尾 豊(東京大学大学院工学系研究科)
14:40-15:10 スーパーコンピュータOakforest-PACSと新たな展開
中村 宏(東京大学情報基盤センター/大学院情報理工学系研究科)
15:10-15:40 Moore則以降のLSIトレンドとIoT
平本俊郎(東京大学 生産技術研究所)
15:40-16:10 コンピュータ性能向上に向けたフォトニクス技術
森戸 健(PETRA)
16:10-16:20 【休憩】
16:20-17:30 パネルディスカッション
進行:岩本敏(東京大学生産技術研究所)
パネリスト:喜連川 優、松尾 豊、中村 宏、平本俊郎、森戸 健
17:30-17:35 閉会挨拶  田原修一(技術研究組合 光電子融合基盤技術研究所)
17:45-19:00 意見交換会 於、C棟ラウンジ <会費:1000円>

概要

NEDOプロジェクト「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発」の成果の社会実装に向けた将来ビジョン形成を目的として、フォトニクスイノベーション・ビジョンワークショップを開催しています。2017年5月22日(金)に、第3回フォトニクスイノベーション・ビジョンワークショップ「AI-IoT時代に向けたコンピューティング技術とフォトニクス」を開催しました。ビッグデータ時代を迎えて、サイバーと実世界の融合したサーバーフィジカルシステム(Cyber-Physical-System: CPS)が、新たな社会変革と価値創造のプラットフォームになると期待される中で、その中核的技術である人工知能(AI)をはじめとするコンピューティング技術が発展し、それを支えるコンピュータやLSIなどのハードウエアの進化が期待されています。これらの状況を俯瞰的に見ながら、フォトニクス技術に求められる期待とその達成のための課題について議論を行い、将来ビジョンの醸成を行いました。

国立情報学研究所(NII) 所長/東京大学生産技術研究所 教授の喜連川優先生より、NIIの本分野における活動の紹介があり、学術情報ネットワークSINET-5の経験を踏まえて、光ネットワークの大容量化への期待が示されました。今後は、センサーとデータ処理の融合された世界を形成することで新たな価値創造を起きることを述べ、モデル計算の深化が重要であることを指摘された。データ処理もDomain Specific Architectureにシフトすると述べた。松尾豊先生は、人工知能(AI)研究の立場から、機械学習の発展の経緯を紹介したのちに、最近の深層学習の進展について述べて、強化学習を組み合わせることで様々な状態を認識できることについて画像認識を例として説明された。特に、意味理解の発展が続くとされた。また、データの簡易が計算精度高めるという結果についても触れ、コンピューティング能力とアルゴリズムの補完性について興味深い示唆を述べられた。中村宏先生は、日本の最高速スーパーコンピュータである、東京大学情報基盤センターのOakforest-PACSについて詳細に紹介がされた。従来の科学計算に加えて、データ解析やシミュレーションにも対応するビッグデータ時代のスーパーコンピュータである。今後は計算科学とデータ科学の融合の時代であると述べられ、機械学習とシミュレーションの融合への取り組みの重要性を指摘して、アプリケーション毎にスライシングした計算サービスの必要性についても指摘された。平本先生は、LSIの過去の進展をITRSのロードマップを示しながら解説された。微細加工は、10nmにまで進化して、LSIにおけるトランジスタ密度は増大し続けていることのデータを示された。今後のIoTへの応用を考慮して、センサーなどの低消費電力、ことにエネルギー・ハーべスティングに対応する低駆動電圧や従来の大量生産から多様で中量製造といった変化から、新たなロードマップの評価軸が必要になることを強調された。PETRAの森戸氏からは、コンピュータ内のボード集積光配線技術について最近の成果が述べられた、ファイバや配線の省スペース化と広帯域化のための波長多重(WDM)方式の重要性が強調された。

続いて、東京大学の岩本先生の進行で進められたパネルディスカッションにおいては、広帯域化をはじめとするIoTやデータ処理のためのクラウドコンピューティングにおける光技術への期待が寄せられた。新たな実世界とサイバー空間が融合する世界では、サービスとテクノロジーの融合が進む中で、今後の技術開発と産業構造の新たな展開についての議論もあり、参加者からの多くの質問やコメントも交えながら白熱したワークショップとなりました。光電子融合技術の社会実装に向けた将来ビジョンの形成に向けた充実した内容となりました。

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