2021年1月21日(木) 16:00-17:30

第21回 フォトニクス・イノベーションセミナー

開催日 2021年1月21日(木) 16:00-17:30
開催場所 オンライン (Zoom)
主催 東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
共催 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
技術研究組合 光電子融合基盤技術研究所(PETRA)
協賛 一般財団法人 光産業技術振興協会(OITDA)
参加費 無料

東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構では、フォトニクス・イノベーション共創プログラムを推進しています。本プログラムは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)プロジェクト「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術」に関わる成果普及と人材育成を目的としています。

フォトニクス・イノベーションセミナーでは、人材育成の一環として光電子融合科学技術の基礎からシステム応用に至る技術について、気鋭の研究者による講義形式でわかり易い解説を提供しています。今回は、大阪大学 五十嵐浩司先生に光ファイバ通信におけるディジタル信号処理技術の最新研究動向についてご講演いただきます。

対象

光技術者および関係の社会人、大学院・学部学生

プログラム

司会 竹中充(東京大学工学系研究科電気系専攻 教授)

16:00 開会挨拶

荒川 泰彦(東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構 特任教授)

16:05 講義

光ファイバ通信におけるディジタル革命 ~符号化変調・光空間多重技術~

五十嵐 浩司(大阪大学工学研究科電気電子情報通信工学専攻 准教授)

講演要旨

2010年以降100 Gbit/s光伝送実システムに導入されているディジタルコヒーレントレシーバは、コヒーレント光受信器とディジタル信号処理の融合技術であり、近年の光ファイバ通信の研究分野における最大の発明である。2004年の提案以来、ディジタル信号処理が光ファイバ通信の研究分野の主要テーマの一つに躍り出た。従来光ファイバ通信における研究開発は、半導体レーザ・フォトディテクタ・光フィルタなどの光デバイスや光ファイバの研究開発がメインであった。それに加えて情報科学・数学科学を基礎とする信号処理の専門家が参入し、光ファイバ通信の研究開発分野は大きく様変わりした。本講演では、ディジタルコヒーレントレシーバ登場によって光通信研究開発分野がどのように変化したかを述べ、その具体例として符号化変調技術と光空間多重技術を紹介する。

参加者数

53名

概要

2021年1月21日(木)に、第21回フォトニクス・イノベーションセミナーをオンラインで開催いたしました。当日参加者数は53名でした。

今回は、大阪大学大学院工学研究科准教授の五十嵐浩司先生に、「光ファイバ通信におけるディジタル革命 ~符号化変調・光空間多重技術~」と題してご講義いただきました。現在の大容量光伝送システムを支えるコヒーレント光伝送技術にディジタル信号処理技術がいかに重要な役割を果たしているか、前半では両技術の融合前後における研究開発の経緯を振り返り、後半ではポストコヒーレント時代の光伝送技術のうち掲題の二つの技術に焦点を当てて詳しく解説いただきました。まずはじめに、直交振幅変調・コヒーレント受信方式の採用にあたっては偏波変動と位相雑音の克服が課題であったことが示されました。また、アナログ信号処理によるこれらの課題解決の取り組みが1990年代に試みられたものの、主にフィードバック制御の困難さのために一旦行き詰ったこと、そして2000年以降に光通信速度を上回るアナログ・ディジタル変換器(ADC)が実用化され、受信信号を直接ディジタル領域に変換することで偏波自動追尾や位相同期が可能になったこと、が紹介されました。これが光通信における”ディジタル革命”となり、現在の大容量光伝送システムの実用化に至ったことがよくわかりました。後半は、光符号化変調技術と光空間多重伝送技術の最新研究動向について、多数の参考文献と先生ご自身の研究成果も交えて詳しくご解説いただきました。フォトニクスの代表例である光ファイバ通信の高速・大容量化を、エレクトロニクスの最先端である集積回路の微細化・高性能化やディジタル信号処理技術が支えているという事実に改めて気づかされ、関連分野の研究者にとっても大変興味深くまた有意義なお話が聴けた機会となりました。

ご講演終了後はセミナー終了予定時刻いっぱいまで途切れることなく活発な質疑応答や議論が行われ、身近な技術の開発経緯や最新研究動向に対する参加者の関心の高さがうかがえました。今後も気鋭の研究者によるセミナーを予定しています。引き続き、奮ってご参加ください。

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