2018年12月3日(月)

第14回 フォトニクス・イノベーションセミナーシリコンフォトニクスの最先端

開催日 2018年12月3日(月)
開催場所 東京大学・駒場リサーチキャンパス ENEOSホール
アクセス・キャンパスマップ https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/access/
主催 東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
共催 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
技術研究組合 光電子融合基盤技術研究所(PETRA)
協賛 一般財団法人 光産業技術振興協会(OITDA)
参加費 無料 ※すべて英語による講演となります。

東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構では、フォトニクス・イノベー ション共創プログラムを推進しています。本プログラムは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクト「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術」の成果普及、関連分野の人材育成および将来ビジョン形成を図っています。特に、フォトニクス・イノベーションセミナーでは、人材育成の一環として、光電子融合科学技術の基礎からシステム応用に至る技術について、気鋭の研究者によるわかり易い講義を提供しています。

この度、当該分野の国際シンポジウム The 8th International Symposium on Photonics and Electronic Convergence (ISPEC 2018)の開催に合わせて、世界最先端のシリコンフォトニクスの研究開発に関する講演をセミナーとして共同開催いたします。

「シリコンフォトニクスの最先端」に関して、シリコンフォトニクスのパイオニアとして本分野の研究開発をけん引していますマサチューセッツ工科大学のL. C. Kimerling教授とカリフォルニア工科大学のK. Vahala教授による講演が行われます。奮ってご参加いただきますようお願いいたします。

対象

光技術者および関係の社会人、大学院・学部学生

参加者数

166名

プログラム

9:50 開会挨拶

田原修一(技術研究組合光電子融合基盤技術研究所 専務理事)

10:00 講演1

Advances in Photonics and electronics Convergence System Technology
荒川泰彦(東京大学 ナノ量子情報エレクトロニクス機構 特任教授)

10:30 講演2

Electronic-Photonic Integration Platforms: Datacom, RF and Sensing
L. C. Kimerling(Thomas Lord Professor of Material Science and Engineering, Massachusetts Institute of Technology)

11:15 講演3

Photonic Integration of Ultra-High-Q Optical Resonators for Next-Generation Clocks and Hertz-Absolute-Accuracy Optical Frequency Synthesizers
K. Vahala(Professor, California Institute of Technology)

概要

2018年12月3日(月)に、シリコンフォトニクスと関連する光電子融合技術およびナノフォトニクスに関する国際シンポジウムISPEC2018と共同開催で、第14回フォトニクス・イノベーションセミナーを開催しました。同国際会議は海外の著名研究者を多数招聘して開催され、近年大きな注目を集めているシリコンフォトニクスの最新研究開発動向をグローバルな視点で俯瞰することのできる貴重な場となりました。セミナー開催日の参加者数はほぼ会場の定員に近い166名と、たいへんな盛会となりました。

講演は、本分野のパイオニアであり研究開発を牽引するマサチューセッツ工科大学(MIT)のL.C.Kimerling教授とカリフォルニア工科大学のK.Vahala教授による2件で構成されました。技術研究組合光電子融合基盤技術研究所の田原専務理事の開会挨拶、主催者である東京大学の荒川教授のKeynote講演に引き続き登壇したKimerling教授は、光電子融合実装技術のロードマップと光電子集積プラットフォームのサプライチェーン形成スケジュールについて現状と課題を示されました。特に、米国におけるシリコンフォトニクス分野の国家プロジェクトであるAIM Photonicsにおいて新しい市場のニーズに見合う集積技術の開発が進んでいることを説明し、コンポーネントの共通化を進めてサプライチェーンを構築することの重要性を強調されました。

次に登壇したVahala教授は、光学素子と電子回路のいずれとも集積可能であり、光電子融合SoC(System-on-a-chip)の実現にも役立つと期待される小型光周波数コムについて、その歴史および物理を解説されるとともに最新の応用に関する研究成果を紹介されました。超高Q値光微小共振器と誘電体光導波路を集積したソリトン型モード同期微小光周波数コムが、いかに革新的な小型高性能周波数標準として有望であるか、新しい活用法(光原子時計やLIDAR、太陽系外惑星探査など)を多数示して強調されました。

シリコンフォトニクスの社会実装に向けた産業化への重要な提言を含むKimerling教授のご講演と、関連光技術の研究の最先端を紹介されたVahala教授のご講演、異なる二つの視点からそれぞれフォトニクス分野のイノベーションに対する貴重な手がかりを得られたセミナーとなりました。

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