2018年06月15日(金)14:30-17:00

フォトニクス・イノベーションセミナー 第12回(2018年06月15日)『だれにでもわかる量子情報』

開催日 2018年06月15日(金)14:30-17:00
開催場所 東京大学・駒場リサーチキャンパス 生産技術研究所An棟4F中セミナー室(An401・402)
アクセス https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/access/access.html
キャンパスマップ https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/access/campusmap.html
主催 東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
共催 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
技術研究組合 光電子融合基盤技術研究所(PETRA)
協賛 一般財団法人 光産業技術振興協会(OITDA)
参加費 無料

東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構では、フォトニクス・イノベーション共創プログラムを推進しています。
本プログラムは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)プロジェクト「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術」に関わる成果普及と人材育成を目的としています。

フォトニクス・イノベーションセミナーでは、人材育成の一環ととして光電子融合科学技術の基礎からシステム応用に至る技術について、気鋭の研究者による講義形式でわかり易い解説を提供しています。
今回は、フォトニクスを用いた量子情報技術を取り上げます。

対象

光技術者および関係の社会人、大学院・学部学生

プログラム

14:30 開会挨拶

荒川泰彦(東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構 特任教授)

14:35 講義

量子鍵配送のセキュリティ:Why and How

小芦雅斗(東京大学工学系研究科附属 光量子科学研究センター 教授・センター長)

15:35 講義

光量子コンピューターの基礎から応用まで

武田俊太郎(東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻 助教)

16:35 全体討論

参加者数

55名

概要

2018年6月15日(金)に、第12回フォトニクス・イノベーションセミナー(テーマ:『だれにでもわかる量子情報』)を開催いたしました。参加者は55名で、活気ある議論が行われました。今回は、最近注目が高まっている量子情報技術、その中でも特にフォトニクスと関連が深い量子鍵配送および光量子コンピューターを題材とした講義が行われました。

最初の講義は、東京大学光量子科学研究センター・センター長の小芦雅斗教授より「量子鍵配送のセキュリティ:Why and How」と題して、量子力学を利用した暗号通信である量子暗号、量子鍵配送の安全性についての講義が行われました。盗聴行為(量子系の測定行為)は系への反作用を伴い通信内容にエラーを発生させるため、エラーがないときだけ共有したビット列を秘密鍵として採用すれば安全である、という量子鍵配送の安全性に関する従来の説明についての疑問を取り上げるかたちで、量子鍵配送の基礎から最新の研究動向にいたる丁寧な解説が行われました。後半では、測定の反作用とは無関係に、またエラーの多寡をモニターしなくても量子力学を使って秘密鍵を作ることができる、RRDPS方式と呼ばれる量子鍵配送の新しい方式と、その安全性の根拠をわかりやすく紹介していただきました。

続いて、東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻の武田俊太郎助教による「光量子コンピューターの基礎から応用まで」と題する講義が行われました。近年注目を集めている量子コンピューターには、超伝導回路を用いたものなど様々な実装方式が提案されていますが、今回のご講演では、室温・大気中でも動作し、通信にも利用できるという光の特徴を活かした光量子コンピューターについて解説していただきました。基礎的概念の解説に始まり、その実装方式の典型例およびその課題が紹介された後、それらを克服しうる新方式のご提案の技術解説へと話が展開されました。光の振幅・位相の自由度を用いて「任意の実数の重ね合わせ」の情報を処理する新方式では大規模計算への拡張も可能であり、ループ型光回路を用いることでスケーラブルかつプログラマブルな光量子コンピューターが実現できるというご説明をいただきました。

質疑応答と講義終了後の議論も白熱し、今回の参加者が自らの関心に応じてより理解を深めようと努めていることが伺えました。今後とも、このように光電子融合科学技術の発展に資するテーマのセミナーを企画させていただきますので引き続きご活用ください。

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